労災
当社の事務を担当している社員が、営業の者から依頼があり、車からダンボールを降ろす手伝いをしました。その時に「ぎっくり腰」になってしまい通院をしています。この場合、労災扱いとすることができるのでしょうか。
その社員がいつもより重たい物を持ったこと、狭い場所や不安定な場所で作業をしていたことで腰を捻るなど、腰部への負荷が、客観的に見て通常の作業や動作と異なって起こったことが必要となります。単に机から落ちた書類を拾う動作などは、日常生活をしていても起こりうることであり、通常の作業と特に異ならないため、業務上の疾病と認定されることは難しいと思われます。
ご質問のケースは、ダンボールを降ろす動作が、通常の事務作業として行っている動作と異なっており、腰部への急激な負荷が、業務遂行中に突発的な出来事として発生したと明らかに認められるケースでありますので、業務上の疾病として労災認定を受けることができるケースだと思われますので、労災申請することをお奨めいたします。
腰痛での労災適用は、「腰痛災害発生状況報告書」などの添付書類が必要となります。その書類上で、どのような態勢であったのか、重量物の重さ、過去の既往症歴などを詳細に記載する必要があるので、ご注意ください。
(参考)
災害性の腰痛については、下記の2つの要件を満たすことが必要となります。
【災害性の腰痛の認定基準】
● 腰部の負傷又は腰部の負傷を生ぜしめたと考えられる通常の動作と異なる動作※による腰部に対する急激な力の作用が業務遂行中に突発的な出来事として生じたと明らかに認められるものであること
※「通常の動作と異なる動作」には、単に物を拾うために腰を曲げたり、後ろを振り返るために腰を捻転させる等の動作は含まれません
● 腰部に作用した力が腰痛を発生させ、又は腰痛の既往症もしくは基礎疾患を著しく増悪させたと医学的に認めるに足りるものであること