労災
社員が所有する自家用車を業務に使用させることは問題ないでしょうか?
社員所有の自家用車を業務で使用中に事故を起こした場合には、民法及び自動車損害賠償保障法上、運転者である社員とともに、会社も使用者責任を問われ損害賠償責任を負うことになりますので、安易に自家用車を業務に使用させることは避けるべきですが、どうしても業務上の使用が必要な場合には、会社が徹底した管理をすべきです。
運転免許証のコピーや車検証のコピーはもちろん、自動車保険のコピーを提出させることは必須です。特に任意保険の場合、対人無制限はもちろん対物1,000万円等の会社が求める水準以上の自動車保険に加入していることを義務付けることも重要です(上記金額はあくまで例示です)。なぜならば、自家用車を業務で使用中に事故を起こした場合には、自動車保険を超える賠償額については、加害者である運転者と使用者である会社が共同で賠償責任を負わなければなりませんが、その際、保険による保障額を超えた場合、被害者からの損害賠償請求は、個人よりも保障能力が優れている会社を相手に行われることが多いからです。
そこで、自家用車を業務で使用することを認める場合には自動車保険の内容を確認したうえで使用を許可することが大前提となります。その他にも事故を未然に防ぐための安全管理体制を整えておくこと、事故が起こった場合の社員と会社の賠償責任の範囲等について取り決めておくことが重要です。会社も社員も取り決め内容が一目瞭然となるものがあった方がお互いに安心ですので、そのような社内ルールを作成しておくことをお勧めします。