労災
当社の従業員が業務中に取引先へ訪問する際に交通事故にあい負傷してしまいました。後日、加害者と示談交渉を行うこととなっているようですが、示談が成立した場合も労災保険の給付は受けられるのでしょうか。
示談が成立し、被災者である御社の従業員が示談額以外の損害賠償の請求権を放棄した場合には、示談成立後労災保険からの給付が受けられなくなります。
ご質問のように労災保険給付の原因である災害が第三者の行為などによって生じたものを第三者行為災害といいます。
労災保険法では第三者行為災害に関して「労災保険の受給権者である被災者等と第三者との間で被災者の有する損害賠償についての示談が真正に成立し、受給権者が示談額以外の損害賠償の請求権を放棄した場合、政府は、原則として示談成立以後の保険給付をおこなわない」と定められています。
したがって、安易に示談を成立させてしまうと、たとえ将来に示談金以上の労災保険の給付が見込まれても労災保険からは給付が受けられなくなってしまう可能性があるので示談をする場合には慎重な判断が必要とされます。
また示談が成立した場合には速やかに示談書の写しとともに労働基準監督署に申し出るようにして下さい。