労働保険
法人の代表者で船員を雇用していない船舶所有者です。現在、船員保険に加入しておりますが、平成22年1月1日から労災保険に統合されると聞きました。職務上の怪我や病気に対する給付は労災保険からの給付になるのでしょうか?
ご質問の件ですが、船員を雇用していない代表の方については、労災保険の「一人親方等の労災保険特別加入」に加入しなければ、職務上の怪我や病気に対しての給付がされません。
今回統合される労災保険は、「労働者の職務上の事由又は通勤による怪我や病気に対して必要な給付を行う」制度であり、船員を雇用しておられない法人の代表者への適用がございません。
しかしながら、労働者以外で、その業務の実情、災害発生状況からみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一定の方に対して、労災保険へ特別加入を認めている制度があります。今回の労災保険への統合に伴い、船員を雇用していない船舶所有者の方は、「一人親方等の労災保険特別加入制度」に加入できるように法律改正がされました。労災へ特別加入をすることにより、職務上の怪我や病気に対する給付を受けることができるようになります。
その特別加入に関する保険料は保険料算定基礎額に保険料率(50/1000)を乗じたものとなります。
保険料算定基礎額は、給付基礎日額(簡単に言えば1日の補償額)に365日を乗じたものであり、給付基礎日額3,500円~20,000円の範囲で所得水準に見合った額で申請して頂くことになります。
例えば給付基礎日額10,000円の場合
10,000円×365日×50/1000=182,500円
この182,500円が年間の労働保険料となります。
またご質問の方とは別に、現在、船員保険の対象外とされています個人事業主である船舶所有者の方でも労災保険の特別加入が可能となり、労働者を雇用していない方は「一人親方等の労災保険特別加入」の適用を受けることができます。
その一人親方等の労災特別加入に関しては、一人親方等の労災特別加入団体に加入した上で、特別加入申請書を管轄の労働基準監督署へ提出します。