労災
当社の従業員が個人宅への商品の配達中に、その家で買っている犬に手を咬まれてケガをしました。この場合労災として取り扱われるでしょうか。
労働災害の第三者行為災害に該当します。
労働者が業務上負傷した場合は原則として労災保険の対象となります。犬を飼っていることは特別なことではありませんので配達先で犬に噛まれるというのは、業務に通常伴う危険が具体化したと考えて差し支えなく、たとえば犬を挑発するような恣意的行為等がなければ労災保険の対象とすることに問題はないでしょう。
ただし、今回の負傷の原因は飼い犬ですので、飼い主の所有物により被った災害となり労災保険の第三者行為災害に該当します。
飼い主には、犬が人や物に危害を加えないように措置を講じるよう条例などで定められていますので、発生の状況から飼い主に過失があると判断された場合には国が労災給付の費用を相手方の過失割合に応じて請求(求償制度)する可能性があります。
配達先と会社で業務上のトラブルに発展しないよう、あらかじめ配達先顧客と話し合いをおこなわれることをお勧めします。